

こんにちは
夫婦ブロガーえだ旅(@edatabi_jp)です!!
世界一周では とても大切な予防接種。
日本ではあまり知られていなくても 海外では未だに蔓延している病気があります。また 国によっては 入国時に予防接種証明書が必要となります。まさかの「国境で門前払い」なんていう事態は ぜひとも避けたいですよね。
このため 今回は 実際に世界一周に向けて受けた予防接種についてまとめました。ワクチンの選び方や予防接種までの手順 実際にかかった期間/費用など できるだけ簡潔にご紹介します。
この記事の目次
世界一周で予防接種を受けるべき理由
その① 感染症にかかるリスクがある
日本では 危険度の高い感染症が流行していないため 予防接種を意識するのはインフルエンザくらいでしょう。また どこでも一定の医療水準が保たれているため 体調を崩した際の治療体制も安心です。
しかし 海外では 国や地域によって さまざまな感染症のリスクがあります。
世界一周のように多くの国を旅する場合 必ずしも滞在先の国が治療体制の整った国ばかりではありません。そうなると 万が一の時に スムーズに適切な治療を受けられない可能性があります。
その② 入国できない国がある
アフリカの熱帯地域や南米の熱帯地域の国々などでは 入国時に黄熱の予防接種証明書の提示が求められます。また 黄熱の流行国から他国への入国時にも 同じく予防接種証明書の提示が求められる場合もあります。
こうなると 予防接種を受けておくことは スムーズに世界一周を進めるための条件になります。
①②の理由から 世界一周など 長期で海外渡航する際には 事前に予防接種を受ける必要があります。
予防接種を受けるまでの手順
まず 予防接種を受けるには
- どの国に行くか
- どの予防接種を受けるか
- いつ/どこで受けるか
ということを決めましょう。こうしておくことで 実際に予防接種を受けに行く病院で 自分で考えたプランをもとに再度相談することができます。
とは言っても まず何から手を付けて決めていったら良いか分からないですよね。それでは これから 予防接種について 一緒に考えていきましょう。
その① どの国に行くかを決める
ひとくくりに世界一周と言っても 行く国や地域によって リスクの高い感染症は異なります。このため まずは どの国/地域に行くのか ルートを組み立てることから始めましょう。
早めにルートを組み立てることは 予防接種のスケジュールだけでなく 航空券の準備や海外旅行保険の期間設定などに関しても大切なこと。大変な作業ではありますが この部分をある程度詰めておくと その後がとても楽になります。
その② どの予防接種を受けるかを決める
ルートが組み立てられたら 続いての手順です。
ここでは ルートに入っている国では
- どんな感染症が流行しているのか
- どんな感染症に注意が必要なのか
を調べましょう。
予防接種には時間もコストもかかります。
このため これらを最小限に抑えて 最大限の効果を得るには 必要な予防接種を受け 不必要なものは受けないという判断を適切に行うことが大切です。
感染症に関する情報は「FORTH」をチェック

各国/地域別の感染症については 厚生労働省検疫所のサイト「FORTH(FOR Travelers Health)」が分かりやすくておすすめです。
厚生労働省検疫所のサイト: FORTH|厚生労働省検疫所
こちらでは 海外渡航の際に検討すべき予防接種について 10種類が挙げられています。
- 黄熱
- A型肝炎
- B型肝炎
- 破傷風
- 狂犬病
- ポリオ
- 日本脳炎
- 麻疹
- 風疹
- 髄膜炎菌
それぞれの予防接種の対象者については 下記の通りです。

なお この他にも 「予防接種で予防できる病気」「海外渡航で検討する地域別の予防接種目安」など どの予防接種を受けるかを検討する上で 有益な情報が多く掲載されています。
世界一周中にも 訪問予定国/地域の感染状況をチェックする際 何度も利用するサイトなので ブックマークしておくととても便利です。
実際に 予防接種内容を決めるために考えたこと
ここで 息抜きに...
わが家では どんな風に予防接種の種類を検討したのかを ざっくりとご紹介します(笑)。なお この時点(2014年8月頃) FORTHで挙げられていた「海外渡航の際に検討すべき予防接種」は8種類(当時除外だったもの: 風疹/髄膜炎)だったため 主にそれらについてまとめます。
接種することにしたもの
- 黄熱: 中南米を渡航する際 黄熱予防接種証明書の提示を求められる可能性がある。南米は 世界一周の中でも行きたい地域だったため 入国できない事態になったら大変!!
- A型肝炎: 中南米/アジアで感染リスクがある。食べ物/飲み物からの感染のため 感染源との接触回数が多い。
- 破傷風: 2人ともトレッキングやサイクリング好きなので 怪我からの感染リスクがある(実際 世界一周中に3回転び いずれもキズ跡が残るほどの怪我でした(汗))。
- 狂犬病: 世界のほぼ大部分の国に分布。キツネやコウモリへの接触機会は無くても 犬好きなため 犬を触りに行った際に噛まれるリスクが高い。
- 日本脳炎: 東南アジアへ行く予定があり 死亡率や後遺症出現のリスクも高い。
接種しないことにしたもの
- B型肝炎/麻疹: わが家は夫婦で医療関係のため 職場で予防接種済み(=すでに抗体(+))。
- ポリオ: 世界一周予定ルートは オーストラリア→南米→中米→北米→ヨーロッパ→中東→東南アジア→東アジアでした。このため 流行地域が予定ルートから外れることで 接種はしないこととしました。
このため 上記5種類については予防接種を受ける予定とし その他判断に迷ったもの(ジフテリアや腸チフスなど)に関しては 予防接種を受ける病院で相談することに。
また 予防接種を受ける場所については リスクを最小限にするべく 節約よりも安全を優先。必要な予防接種はすべて国内で受けることにし すべての予防接種を終えた後に出発することにしました。
その③ いつ/どこで受けるかを決める
最後に いつ/どこで予防接種を受けるかを考えます。
実際に調べてみると 海外渡航に向けた予防接種をしているクリニック/病院はたくさんあります。このため HPに載っている価格表を確認したり 近隣で予防接種を実施しているクリニック/病院には 直接連絡するなどして確認しましょう。
同じ予防接種内容でも 受ける場所によって費用も変わってきます。価格を比べると その差に約1.5倍の開きがあるところも!!
なお 日本で予防接種(黄熱以外)を受ける場合は
- トラベルクリニック
- 渡航者外来のある一般のクリニック/病院
- 検疫所
上記の施設で受けることができます。
なお 黄熱の予防接種に関しては
- 検疫所
- 公益財団法人 日本検疫衛生協会 東京診療所
- 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 トラベルクリニック
- 東京医科大学病院 渡航者医療センター
- りんくう総合医療センター
全て事前予約が必要(2020.5月現在)
上記のみの対応となりますので ご注意ください。
詳しくはこちら: FORTH|黄熱について
いずれの施設で受けた場合にも 予防接種に関する相談やアドバイスを受けることができます。予防接種に関する疑問や質問がある場合は 積極的に確認し 不安の残らないようにすることが大切です。
わが家が予防接種を受けた施設: ふたばクリニック

わが家が予防接種を受けた施設は 東京都世田谷区三軒茶屋にある「ふたばクリニック」
清潔感のあるHPで 世界一周旅行者の口コミも好評。費用がリーズナブルで わが家からも近いことから こちらに決めました。
詳しくはこちら: ふたばクリニックHP
受診時には
- どんな予防接種を受けるべきか
- どの予防接種は受けなくても大丈夫か
など予防接種に関する説明や犬などに噛まれた際(=狂犬病のリスク発生時)の対処法など 細かくアドバイスがもらえました。予防接種スケジュールについても ささっと作成してくれたので 今後の予定が立てやすかったです。
また 予防接種の種類によっては「国産ワクチン」「輸入ワクチン」両方があります。
こちらも相談の上 海外で流行しているものに関しては 実際に海外で流行しているウイルス抗原を使用したワクチンのほうが良いとのアドバイスを受け 輸入ワクチンを選択しました。
予防接種を受ける際の注意
その① 黄熱の予防接種について
黄熱の予防接種は 生ワクチンです。
このため 黄熱の予防接種後 28日間は他の予防接種を受けることができません。このように 生ワクチンを使用する予防接種がある場合は できるだけ最後に受けるようにすると 予防接種スケジュールを組みやすくなります。
なお 黄熱予防接種証明書は 接種後10日後から有効です。入国時 黄熱予防接種証明書が必要となる国へ渡航する場合は 期間に余裕を持って受けるようにしましょう。
その② 狂犬病の予防接種について
狂犬病の予防接種は 合計3回の接種が必要です。
特に 2回目の接種終了後 3回目の接種までに期間を空けなければならないため 時間に余裕を持って接種を開始することが大切です。ちなみに わが家では 世界一周4カ月前にこの事実を知り かなり焦りました(汗)。
その③ 世界一周前の歯科受診について
世界一周出発前に 親知らずを抜歯しようと考えている方は 要注意!!
予防接種の前後には 抜歯ができません。
このため 予防接種期間よりも早め(または遅め)に抜歯をする必要があります。予防接種+抜歯+抜歯前後の診察までを含めたスケジュールを立てるには かなりの期間がかかりますのでご注意ください。
歯科検診の必要性については こちらの記事で詳しくご紹介しています。
実際に 予防接種にかかった期間と費用
予防接種にかかった期間
実際の 予防接種スケジュールは
上記のように とてもギリギリとなりました(汗)。
必要な予防接種は なんとか全て受けることができましたが もっと早めに取りかかるべきでした。複数回接種が必要な予防接種をこなしつつ 予防接種以外の準備/手続きも済ませていくことを考えると 半年ほど前から取り掛かると余裕が持てると感じました。
予防接種にかかった費用
実際に 予防接種にかかった費用は
- A型肝炎 : 9,000円×1回=9,000円
- 破傷風 : 2,500円×2回=5,000円
- 狂犬病 : 7,000円×3回=21,000円
- 日本脳炎: 5,000円×2回=10,000円
- 黄熱 : 11,180円×1回=11,180円
1人あたり 56,180円!!
夫婦2人旅のため 2人合計: 112,360円!!! という結果になりました。
いやー かかりました。
お金も 時間も。
このため すべての予防接種が終わった時には 軽い達成感すら感じてしまいました(笑)。
参考までに ふたばクリニックの各種予防接種料金表が こちら(2020年5月現在)。


残念なことに 全体的に料金が上がっているため わが家で受けた時に比べると 費用が高くなると思います。
参考までに: 海外で予防接種を受ける方法
費用をリーズナブルに抑えたい場合は タイで予防接種(費用は日本の1/3程度)を受ける方も多いです。特に 世界一周旅行者の中では バンコクにあるスネークファームが有名です。
スネークファームでの予防接種については こちらが分かりやすかったです。
詳細はこちら: スネークファームでの予防接種-Meg In The World
しかし タイでの予防接種に関しては
- タイ入国までの間の感染リスク
- 東回りの場合 ルート的にタイに寄るのは難しい
- 複数回接種が必要なものがある
→適正間隔(=ワクチンの効果が十分に得られる)を空けての接種には 数カ月必要
というデメリットもあります。3.に関しては 全ての予防接種(複数回のものは複数回分)をタイで受けるのは難しいでしょう。
このため タイで予防接種を受ける場合は 事前に日本でいくつか予防接種を受けておき 残りの回数をタイで受けるというプランが現実的かと思います。ただし 狂犬病に関しては 基本的に途中から違う病院で受けることはできないためご注意ください。
予防接種を受けた後 実際に免疫が付く(=予防接種の効果が出る)までに 3週間-1カ月かかります。このため 海外で予防接種を受ける場合は その期間 感染症のリスクに配慮した旅程を考える必要があります。
また 予防接種では 体内に異物を入れることになるため アレルギー反応(アナフィラキシーショック)が発生するリスクもあります。
海外での予防接種を検討中の方は 上記のリスクが許容できるかという点についても 判断基準に入れて検討しましょう。
予防接種終了後に受け取ったもの
こちらは ふたばクリニックで受けた予防接種証明書です。
実施されたワクチンの種類/ロットNoの書かれたシールが ずらりと貼られています。
こちらは 最後に受けた 黄熱予防接種証明書。
黄熱予防接種証明書は 紛失予防のため パスポートの後ろに貼り付けるのがおすすめです。
それにしても 実際に世界一周をした際に 黄熱予防接種証明書の提示を求められることはありませんでした。これは パスポートに貼り付けていたから...?? ということにしておきましょう(笑)。
まとめ: 世界一周に予防接種は必須 早めに取り掛かろう
今回は 実際に世界一周に向けて受けた予防接種についてまとめました。ワクチンの選び方や予防接種までの手順 実際にかかった期間/費用など 少し長くなりましたが できるだけ簡潔にご紹介しました。
予防接種にかかる期間は どの予防接種を受けるか(=複数回のものの有無)によって変わります。時間が限られていると 必要回数の接種が受けられない可能性があり 早め早めの準備が大切です。
また 予防接種を受けずに出発して 感染症にかかってしてしまうと
- 体調の優れない中 受診をしなければいけない
- 一緒に行動している人への感染リスクが生じる
- 他国へ感染症を運んでしまうリスクが生じる
ことになります。
予防接種を受けることで 避けられる問題はたくさんあります。
そして 何といっても 予防接種を受けておくことで 世界一周中に余計な心配をせずに済む。これは「プライスレスな価値」と言えるのではないでしょうか。
\旅の準備に関しては 他の記事も書いています/
それでは 本日もお付き合いいただき ありがとうございました。